My Magic Dairy › 『ああ,そうか。
『ああ,そうか。
2023年12月17日
『ああ,そうか。その理由が悩みの種だったのか。』
単に見合い相手に不満があるとか,まだ嫁に行きたくないってだけじゃない。
三津はきっぱり言い切った。
相手にこれっぽっちも気がない証拠。
「でも,答えは変わらへんって言っても納得してくれなかったんです。」
三津は腕を組んで顔をしかめた。https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/12/15/174149 https://ameblo.jp/freelance12/entry-12832661440.html https://www.liveinternet.ru/users/freelance12/post502514027//
「じゃあ答えが変わらない理由を詳しく説明すればどう?
それを聞いたら納得してくれるかもしれないよ?」
最もな提案をしたつもりだが,三津は渋い顔のまま一点を見つめていた。
その理由の中にもっと深いものがある。
相手の気持ちを跳ね返してしまう大きな理由――
弥一の気持ちも真っすぐだ。「もしかして好きな人がいるのかい?」
気持ちが動かないのはすでに誰かの所に気持ちがあるから。
そう思って単刀直入に聞いてみれば,三津の渋かった表情は驚きの表情に変わった。
「当たりだ。」
三津が分かり易い子で良かった。
丸くなった目と半開きの口をくすりと笑った。
「立派な理由じゃないか。どうしてそれを言わないの?」
きっとその好きな人が問題なのだろう。
相手に言えない人物なのか。
そんな難しい恋をしている娘には見えないけど。
色んな想像を巡らせながら三津が言葉を返してくるのを待った。
この人はどうしてこんなに心を見透かしてくるんだろう。
「何で分かるんですか?」
参ったなと態とらしくへらへら笑って,動揺した気持ちを紛らわした。
でもそんな下手な芝居も桂の目は見抜いてしまうんだろうなと観念して,改めて桂と向き合った。
「好きな人がいるのは正解です。
でも自信持っては言えないんです…もう死んじゃったから。」
精一杯の笑顔で強がってみたけど,目から溢れ出るもので桂の顔が見えなくなった。
「死んじゃった人を好きって…そんなん理由にならないですよね。」
だってもう居ないから。
だけど大切な人だから忘れたくない。
私の気持ちはまだ変わってない。
ううん,変わらない。
好きなのは貴方だけだから。
もし誰かを好きになってしまったら,胸の中はその人で一杯になってしまう。
そうすれば私の中の彼はどんどん薄れていくだろう。
やがて忘れてしまうだろう。
「嫌なんです…忘れたくない!
全部消えちゃう…。そんなの嫌やぁ…。」
どうしようもない不安から三津は激しく嗚咽した。
桂は泣きじゃくる三津を引き寄せて腕の中に閉じ込めた。
「生きていても死んでしまっていても大切な人に変わりはないなら理由になるよ。
忘れられない人がいる。
そう伝えればいい。ただそれだけでいい。」
優しく背中をさすりながら諭すように囁いた。
こうする事で三津が一人で背負いこんだものが軽くなればいい。
そう願いながら小さな背中をさすり続けた。
『この世に亡き相手を想う…か。
そんな辛い恋をしながら笑ってたんだね。君って子は。』
今はただ静かに三津が落ち着くのを待った。『うーん…どうしよう…。』
徐々に落ち着きを取り戻した三津はゆっくりと呼吸を整えながら,今の状況を整理した。
我を忘れて号泣して顔はぐちゃぐちゃ。
桂に抱き締められて体の自由はきかない。
『あ…。桂さんの着物濡らしてもた…。』
自分が顔を埋めていた所は見事に涙の染みが出来て変色してしまっている。
とにかく謝ってお礼も言おう。
でもその前に,離してくれないだろうか…。
桂の心音が規則正しく聞こえてくる。
だから余計に自分の鼓動の速さが尋常じゃないと思う。
『離してくれへんかな。でもみっともない顔やし…。』
腕の中でもぞもぞと身を捩っていると,桂の頬が涙で濡れた頬に引っ付いた。
今度は桂の息づかいが聞こえる。
「落ち着いた?」
耳元で響く声がくすぐったくて恥ずかしくて,目の前の胸を押してみるが体に隙間は生まれない。
『逃がさないから。』
桂はくすっと笑って離れようとする体を胸に引き戻す。
別にからかってる訳ではない。
体がこうしていたいと勝手に動くのだ。
三津に会った時から始まったこの衝動は何なのか。
自分でも何がしたいのか不思議で堪らない。
「すみませんでした…。もう大丈夫です。」
腕の中からか細い声が聞こえた。
離してくれと言っている。
三津の困惑している顔が目に浮かんだ。
困らすつもりもないのだけれど,離すつもりもなかった。
単に見合い相手に不満があるとか,まだ嫁に行きたくないってだけじゃない。
三津はきっぱり言い切った。
相手にこれっぽっちも気がない証拠。
「でも,答えは変わらへんって言っても納得してくれなかったんです。」
三津は腕を組んで顔をしかめた。https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/12/15/174149 https://ameblo.jp/freelance12/entry-12832661440.html https://www.liveinternet.ru/users/freelance12/post502514027//
「じゃあ答えが変わらない理由を詳しく説明すればどう?
それを聞いたら納得してくれるかもしれないよ?」
最もな提案をしたつもりだが,三津は渋い顔のまま一点を見つめていた。
その理由の中にもっと深いものがある。
相手の気持ちを跳ね返してしまう大きな理由――
弥一の気持ちも真っすぐだ。「もしかして好きな人がいるのかい?」
気持ちが動かないのはすでに誰かの所に気持ちがあるから。
そう思って単刀直入に聞いてみれば,三津の渋かった表情は驚きの表情に変わった。
「当たりだ。」
三津が分かり易い子で良かった。
丸くなった目と半開きの口をくすりと笑った。
「立派な理由じゃないか。どうしてそれを言わないの?」
きっとその好きな人が問題なのだろう。
相手に言えない人物なのか。
そんな難しい恋をしている娘には見えないけど。
色んな想像を巡らせながら三津が言葉を返してくるのを待った。
この人はどうしてこんなに心を見透かしてくるんだろう。
「何で分かるんですか?」
参ったなと態とらしくへらへら笑って,動揺した気持ちを紛らわした。
でもそんな下手な芝居も桂の目は見抜いてしまうんだろうなと観念して,改めて桂と向き合った。
「好きな人がいるのは正解です。
でも自信持っては言えないんです…もう死んじゃったから。」
精一杯の笑顔で強がってみたけど,目から溢れ出るもので桂の顔が見えなくなった。
「死んじゃった人を好きって…そんなん理由にならないですよね。」
だってもう居ないから。
だけど大切な人だから忘れたくない。
私の気持ちはまだ変わってない。
ううん,変わらない。
好きなのは貴方だけだから。
もし誰かを好きになってしまったら,胸の中はその人で一杯になってしまう。
そうすれば私の中の彼はどんどん薄れていくだろう。
やがて忘れてしまうだろう。
「嫌なんです…忘れたくない!
全部消えちゃう…。そんなの嫌やぁ…。」
どうしようもない不安から三津は激しく嗚咽した。
桂は泣きじゃくる三津を引き寄せて腕の中に閉じ込めた。
「生きていても死んでしまっていても大切な人に変わりはないなら理由になるよ。
忘れられない人がいる。
そう伝えればいい。ただそれだけでいい。」
優しく背中をさすりながら諭すように囁いた。
こうする事で三津が一人で背負いこんだものが軽くなればいい。
そう願いながら小さな背中をさすり続けた。
『この世に亡き相手を想う…か。
そんな辛い恋をしながら笑ってたんだね。君って子は。』
今はただ静かに三津が落ち着くのを待った。『うーん…どうしよう…。』
徐々に落ち着きを取り戻した三津はゆっくりと呼吸を整えながら,今の状況を整理した。
我を忘れて号泣して顔はぐちゃぐちゃ。
桂に抱き締められて体の自由はきかない。
『あ…。桂さんの着物濡らしてもた…。』
自分が顔を埋めていた所は見事に涙の染みが出来て変色してしまっている。
とにかく謝ってお礼も言おう。
でもその前に,離してくれないだろうか…。
桂の心音が規則正しく聞こえてくる。
だから余計に自分の鼓動の速さが尋常じゃないと思う。
『離してくれへんかな。でもみっともない顔やし…。』
腕の中でもぞもぞと身を捩っていると,桂の頬が涙で濡れた頬に引っ付いた。
今度は桂の息づかいが聞こえる。
「落ち着いた?」
耳元で響く声がくすぐったくて恥ずかしくて,目の前の胸を押してみるが体に隙間は生まれない。
『逃がさないから。』
桂はくすっと笑って離れようとする体を胸に引き戻す。
別にからかってる訳ではない。
体がこうしていたいと勝手に動くのだ。
三津に会った時から始まったこの衝動は何なのか。
自分でも何がしたいのか不思議で堪らない。
「すみませんでした…。もう大丈夫です。」
腕の中からか細い声が聞こえた。
離してくれと言っている。
三津の困惑している顔が目に浮かんだ。
困らすつもりもないのだけれど,離すつもりもなかった。
Posted by AmandaMonroe at 14:38│Comments(0)