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三津がまだ誰にも汚されてないと知って

2024年04月12日

三津がまだ誰にも汚されてないと知って少し気持ちに余裕は出たが体の疼きは止まらない。


恥ずかしいから灯りは消してくれと言う三津の願いを桂はいつも聞かない。
恥じらいながら悶える顔が見たいから。
でも今日は灯りを消した。ほんのりとした月明かりだけで三津を抱いた。


必死に堪えながら時折洩らす声と息遣いでその表情がはっきりと浮かぶ。
これで最後なら受け止めてと手加減はしなかった。
もう無理だと逃げだそうとする腰を押さえつけて離さなかった。


「三津,嘘でもいい。私を好きだと言って欲しい。」


冷静になれないぐらい乱されて,それでもまだ止まらない律動に三津は必死に桂にしがみついた。


「すっ……きぃっ……。」


意識が飛びそうで目の前の肩に噛みついた。その痛みさえ愛おしくて桂は目を細めた。https://carina.asukablog.net/Entry/5/ https://johnn.3rin.net/Entry/5/ https://paul.animech.net/Entry/4/


「ありがとう。愛してるよ。ずっと……。
三津,覚えていて。私にとって君は最後の人だ。もう他の人には触れない。君への想いに終わりはない。」


「嘘っ……つきっ。誰でも抱けるっ癖にっ!」


余裕がないながらに精一杯の悪態をついた。そう言えばむきになって自分の好きな所を並べてくれると思った。そんな事したって後で虚しくなるだけなのに。


「もう抱かない,この先君が離れようとも私は誰にも触れないと約束する。だから朝が来るまでは私の事を好きでいて。」


どうせそんな約束守れない。誰にも触れないなんて絶対無理だ。
もう終わるのだからそっちも勝手に生きてくれたらいいと思うのに,それを守って欲しい,私を忘れないでと真逆な事も思ってる。


ずっと耳元で愛してるを繰り返してくれる桂に,


「小五郎さん……今までありがと……。」


愛の言葉じゃなくて感謝の気持ちを,その一言だけを贈った。







日も昇らぬ薄暗い部屋で三津は怠い体を起こした。隣りで眠る桂を起こさぬようにそっと布団を抜け出した。


『起きれて良かった……。』


一切の容赦もなく,今まで溜めた欲をぶつけられた感じで全ての体力を持ってかれた。
そして身支度を整える為に鏡台の前に立ち愕然とした。首筋や胸元が痣だらけだ。


『これは襟巻で隠すしか……。』


着物を着て首に襟巻をして三津は家を出た。体中が違和感だらけで動くのが非常に辛い。


「女中さんは時間にきっちりしとるのぉ。」


玄関を出たところで白い息を吐きながらおはようと中岡に声をかけられた。


「早朝にすみません……。」


「構わん約束やき。それにこの時刻なら新選組にも見つからんやろう。そしたら帰ろうか。」


三津は黙って頷いた。「桂さんに最後の挨拶は?」


中岡の言葉に小さく首を横に振った。中岡はそれに対してそうかとだけ小さく呟いた。
薄暗い道を静かに歩いた。肌を刺すような寒さは萩とどこか違うなぁと三津はぼんやり考えた。


これから大阪まで向かいまた舟で長州へ帰る。阿弥陀寺に寄ってみんなに会って帰ろうか。突然訪ねたらみんなは迷惑だろうか。だったら真っ直ぐ萩に帰ろうか。
どっちにしろなるべく早く帰らなきゃと思うのだが,


「三津さんもしかしてやけど……全然体力ない……?」


中岡が足を止め三津をじっと見下ろした。三津は襟巻の中に顔を隠してこくこく頷いた。思うように歩けない事に気付かれていた。


「そうか。最後の挨拶は昨晩存分にしとるんやな。」


中岡に喉を鳴らして笑われて恥ずかしくて死にそうだ。


「ホンマにもう最後なんで……。もう会う事ないんで……。次はもう絶対呼びに来んとって下さい……。」


「でも分かったやろ?桂さん動かせるのは三津さんだけや。坂本と私やったらあと何日費やさんといけんかったか。三津さんは必要とされちゅうき。」


お似合いやでと笑顔で言われた。思い返せば中岡は初めて会った時も自分と桂は不釣り合いとは言わなかった。それがとても嬉しかったのを思い出した。


「でももう無理なんです……。あれこれ考え過ぎて疲れちゃうんですよ……。」


何があっても傍に居たい気持ちより傷つきたくない思いの方が勝った。一途に想う純粋さだけあればいいのに,目に見えない部分を不安に思い,見えない相手に嫉妬を抱く自分が醜くて怖ろしくて嫌いだ。



Posted by AmandaMonroe at 17:52│Comments(0)
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