My Magic Dairy › 「じゃあ三津と出掛けるのを諦めろよ

「じゃあ三津と出掛けるのを諦めろよ

2024年03月06日

「じゃあ三津と出掛けるのを諦めろよ。何考えてんだよ。」


高杉はまた俺の分からん話か?と二人の顔を交互に見た。


「どうしても三津さんと出掛けたかったんだよ。それに桂さんと斎藤が何考えてるかも気になったし。
まぁ何もなかったんだからいいじゃないか。」


結果論で言うと確かに問題は無いが腑に落ちない。


「文句があるなら桂さんに言って来い。
俺は本当に文を喜ばせる物を買いたくて三津さんに協力して欲しかっただけなんだ。」


徐々に険悪な雰囲気を漂わす二人をきょろきょろ交互に見た高杉は,


「稔麿も三津さんと出掛けたいんか?そしたらふさちゃんへの贈り物二人で選んで来たらえぇやろ。」 http://kiya.blog.jp/archives/24079771.html https://freelance1.hatenablog.com/entry/2024/03/06/192105?_gl=1*vjg0h2*_gcl_au*NjYyNTYyMDMxLjE3MDkwNDE3OTU. https://travelerbb2017.zohosites.com/


あっけらかんと言い放った。


「ふさちゃんも今年で15か?歳の離れた可愛い妹に何か贈っちゃりぃや。」


事情も分かってないのに口を出してきてまぁまぁいい案を出してくれたな。吉田はふっと笑った。


「玄瑞の言う通り文句は桂さんに言うよ。
それと癪だけど晋作の案を使わせてもらう。直談判して来ようかね。」


悪かったなと言い残して吉田は次の目的地へ。
何だか面白そうだと高杉もその後を追った。


「晋作はまた問題起こす気か。」


久坂もあえて面倒事に巻き込まれる為にその後について行った。


「桂さん失礼します。」


「そんな大勢で何事?」


文机に向かったまま上半身だけ障子の方へ向けた。
吉田の用件は想像がつくけどと苦笑い。


「何で斎藤に会わせたんです?」


「斎藤君が三津を心配してくれてたからだよ。
彼なら話して納得したらこの辺りでの徘徊を止めてくれると思ったからね。」


「私も三津と出掛けたいんですけど。」


やっぱりかと小さく息を吐いた。


「玄瑞が良くて私が駄目な理由が見当たりませんしね。」


「駄目な理由は三津を私から奪おうとしてるからで充分過ぎると思うが?」


そんな男と二人きりにさせる気はないけど?と口角を上げた。


「そしたら俺が付き添うけぇええやろ?」


高杉が目を爛々と輝かせて挙手するが,


「君は外出禁止だよ。」


桂は笑顔で却下した。


「二人きりでも問題無いですよ。私は三津にお前が抱いてと縋りつくまで手を出さないと約束したんで。」


「何だその約束は。」


高杉に向けてた笑顔は一瞬で真顔に戻った。「そのまんまですよ。私はどっかの鬼と違って無理強いは絶対しないんで。
それより私を受け入れて淫らに喜ぶ顔が見たいし。
じゃあ考えといて下さいね。ふさへの贈り物がしたいんで。」


くくっと喉を鳴らして笑うと吉田は部屋を後にした。
そのまま廊下を歩いて三津を探す。この時刻だときっと洗濯物をしているはず。


『居た。』


三人でせっせと干す作業をしているのを見つけて目元を綻ばす。


「ちゃんと女中の仕事しちょるなぁ。」


高杉は感心感心と目を細めた。


「三津さんは働き者だよ。だから桂さんにはもったいない。」


「へぇ。玄瑞もそう思うんだ。」


意外だねと横に並んだその顔を見た。久坂は吉田の言葉に少し苦笑した。


「悪いけど斎藤とお似合いだと思った。
会わせたあの時,斎藤は三津さんに向けて本当に穏やかに笑った。俺が居るのは分かってたからほんの少しだったけど。」


自分を見る吉田の目が鋭く睨みつけ,殺意にも近い感情を向けてきてるのも分かった。


「そんなに怒るなよ。その時は桂さんより斎藤の方がお似合いだと思っただけ。お前も真剣に三津さんが大事だって改めて分かったから。
俺は三津さんが幸せになるのを願ってる。それだけ。」


だから応援してるのは他の誰でもなく三津自身だ。可愛い妹だからなと笑った。


「……玄瑞もなんだかんだ三津を好きだね。」



Posted by AmandaMonroe at 19:24│Comments(0)
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