My Magic Dairy › 『体で教える?何言ってるん?この人は…。』

『体で教える?何言ってるん?この人は…。』

2023年12月31日

『体で教える?何言ってるん?この人は…。』


「あの,教えて欲しいのは土方さんの生い立ちとか,昔の話で体は関係ないんですけど…。」


「あ?そんな話して何になるんだよ。
それより互いの呼吸と体温で分かり合う方が性に合ってんだ。俺を知りたきゃ言う事聞きな。」


妖艶な笑みで三津の首筋から顎に向かって指先で撫でる。
その手つきに三津の肌は粟立った。http://eugenia22.eklablog.net/-a215193677 https://avisterry.futbolowo.pl/news/article/news-26 https://www.beclass.com/rid=284b43e658fe58530adb


「いやいやいや!話だけで充分なんです!」


肌と肌で語り合うつもりで歩み寄ったんじゃない。
迫って来る土方の胸を力一杯押して悪あがき。


「一から教えてやるって言ってんだ有り難く思えよ?
嫌だ嫌だって言いつつも,快感になってくんだよ。」


意地悪く笑う顔に三津は硬直した。
いとも簡単に組み敷かれ,長い指が顔の輪郭をなぞる。
鼻先が今にも触れ合いそうな距離。三津の間抜け面を下に見て,土方はより口角をつり上げた。
その不敵な笑みに三津の体中からは嫌な汗が噴き出す。


不逞浪士に囲まれた時よりも本能は危機感を感じている。
黒目は忙しく,右へ左へと動き回る。


「じょ,冗談はこの辺にしてお話を…。」


土方の顔が迫って来るのを,必死に押し返しながら顔を反らした。


「そう急かすな。順番ってもんがあるだろうが。」


「だからそうじゃなくって!
分かり合うには腹を割って話し合えばいいだけで!」


どんなにもがいても,一見華奢に見える腕は三津の体を畳に押さえつけて,びくともしない。


無駄な抵抗をする様子を土方は楽しんでいるようにしか見えない。


「だから俺には腹を割るのも股を割るのも一緒だって言ってんだろうが。
往生際の悪い奴だ。」


相変わらず雰囲気をぶち壊しやがる。もっと女らしく恥じらってみろと思いながら,三津の体の自由を奪う。


絶体絶命,冷や汗だらだらの三津に天からの助け舟。
部屋に近づいて来る足音。それはこの部屋の前で止まった。


「土方くん,ちょっといいかな?」


障子の向こうからは山南の呼ぶ声。


「今取り込み中だ,後にしてくれ。」


土方は顔色一つ変えず,平然と三津を組み敷いたまま返事をした。
ここで山南を逃してしまえばもう後はないだろう。


「山南さん!助けて!」


「お三津ちゃん?失礼するよ?」


困惑した声がして,障子がすっと開いた。


「土方くん,屯所内では流石にまずいだろう。せめて別の場所にしてくれないか?」


それに対して土方は堅いこと言うなよと悪びれもなく笑った。


「別の場所でも嫌です!お断りです!土方さんの変態!」


三津は思いっきり土方を突き飛ばして走って逃げた。
突き飛ばされた土方は尻餅をついた姿勢のまま喉を鳴らして笑った。


「あれだけ走れたら上等だ。
で?何の用だ?」


胡座に頬杖をついて苦笑いで立ち尽くす山南を見上げた。


「邪魔したのは悪かったけど,そんな冷たい言い方しないでくれよ。」


「あれぐらいしないとあの馬鹿は学習しねぇからな。
あんたの小姓とは違って,何も考えてないんでね。
いい意味でも悪い意味でも。」


それでも橘よりは可愛げはあるぞと,ふんと鼻を鳴らして意地悪く笑った。
山南は返す言葉が見当たらず,困ったような笑みを浮かべた。山南はゆっくりと腰を下ろし,綺麗な姿勢で正座をした。
育ちの良さが分かると土方は鼻で笑う。


「今日君を狙った奴らに心当たりはあるかい?」


苦笑いのままそれとなく今日の出来事に話しを変えた。


「いちいち顔も覚えてられないぐらい心当たりは有る。」


有り過ぎて分からんと腕を組む。
かと言って困るほどのもんじゃねぇよと気持ちにも表情にも余裕を見せた。



Posted by AmandaMonroe at 16:58│Comments(0)
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