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ねじ伏せたいと血が騒ぐ。

2024年01月25日

ねじ伏せたいと血が騒ぐ。
顎に手を添えてまじまじとその顔を眺めた。


「土方さんこそ…。ちょっとは考え直したらどうです?」


「あぁ考え直してるさ,どうすればお前が賢く俺の言う事を利くようになるのか。」


三津は絶対に目を反らさない。おまけに挑発までしてくる。
だから土方もなじる。


「お前は誰かが死ぬのが怖いだけなんだろ?
どんな死に方をしようが,自分の知ってる人間が死ぬのがよぉ。」 http://jennifer92.livedoor.blog/archives/34871750.html https://note.com/ayumu6567/n/n927408b89a6a?sub_rt=share_pb https://community.joomla.org/events/my-events/a-asoukai.html


それが切腹でも,戦死でも,事故でも,病気でも,命が消える事を受け入れられないだけ。


「その大元はここだろ?」


三津の胸ぐらを掴んで一瞬で引き寄せる。
片方の手は右肩から背中をなぞる。丁度傷があるあたり。


「んっ!」


強過ぎず,触れるか触れないかぐらいの際疾い感触に三津の体がびくんっと跳ねる。
傷をなぞる指先から逃れようと仰け反った。


「やけに色っぽいじゃねぇか。お前からそんな声が聞けるとはな。」


仰け反って無防備に晒される喉元を眺めつつ,喉を鳴らして笑った。



「馬鹿にっ…馬鹿にしに来たんですかっ?」


うっすら目に涙を浮かべて睨みつけた。背中をなぞる指はそこに止まったまま,離れてはくれない。


「馬鹿にしてんのは,てめぇだろ。」


今度はその重低音にビクッとした。
土方の与えてくる威圧感に息が苦しくなる。


「やっぱりお前には色々教えてやる必要があるようだな。」


動けなくなった三津の体をすくい上げて部屋の奥へと向かう。


「え?どこに?」


奥にはもう一つ襖があり,土方は三津を肩に担ぎ直すとその襖を豪快に開いた。


部屋に踏み込んですぐに三津は仰向けに転がされた。
背中はふかふか…とまではいかないが,畳より柔らかい。


「あれ?布団?」


「貸座敷がある料理処はなぁ料理楽しみながら訳アリの男女が仲を深めるとこだ。
盆屋って聞いた事ねぇか?」


ニヤリと笑いながら三津の頬を撫でる。


「山奥にはそんな所ありませんでしたから…。
あの,説教なら正座で聞きますんで!」


「あんな声聞かせといておあずけはねぇだろ?」


三津の肩に顔を埋めるようにして耳元で囁いた。
それには三津の体が震え上がった。


「三津…。
お前はやっぱり刀を握る奴らが心底憎いんだろ。
人を傷つける奴らはみんな一緒とでも思ってんのか?」


土方の鼻先が首筋をくすぐる。
今,彼がどんな顔でそれを問いかけてるのか。


「そんな事…。」


ない。と,言いたかったけど言えなかった。
嘘がつけない性分。馬鹿正直に黙り込んで肯定した。


耳に土方の溜め息がかかる。
それに気を取られていたが土方の手が,自然に帯を緩めている。


「当たり前みたいに何してるんですかっ!
新選組の副長が女中を手篭めにするのは流石にアカンでしょ?
私情挟むやなんてあきませんって!」


だから逃がしてくれ。
土方の体を押しのけて,四つん這いになって布団の上から逃げ出そうとするが,


「人の話聞いてたか?訳アリの男女が逢い引きに使うのが盆屋だ。
何ら問題ねぇだろう。」


「問題大有りです!
ここに来る訳アリ男女は同意の上ですよね!?
ちょっと何してるんですか!?」


土方の重みが背中にのしかかる。
今度は馬乗りにされた。


「ここに来るのは同意の上だろうが。」


「布団あるやなんて知りませんもん!
それにご飯食べに来たんであって!」


馬乗りにされた状態でじたばたも出来ない。


「存分に体動かした後なら飯も美味いだろうよ。」土方は慣れた手つきで腰紐まで取り去っていく。


「待って下さい!悪ふざけが過ぎますって!」


着物と体に隙間が生まれているじゃないか。
土方が触れる手が,直に感じられる。


「悪ふざけでお前を脱がした所で愉しいはずねぇだろ。
この目で見ておきたかっただけだ。」


人差し指がトンと肩甲骨の辺りを押す。


「こんな物見てどうするんですか…。
私からしたら見られたくない物なんですけど。
無理やり脱がして傷眺めるやなんて,とんだ変態ですね。」


何だか抵抗する気も失せて,大きな溜め息を一つ。



Posted by AmandaMonroe at 18:15│Comments(0)
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