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 まえをゆく副長が

2023年04月27日

 まえをゆく副長が、奇跡的に思いだしたかのような口調できいてくる。

 ちょうど、大坂城がみえてくる。
 現代のそれとは違い、しょぼい。ここも、大坂夏の陣につづき、燃え落ちる。

  150年後、エレベーターやらバリアフリーやらになっていて、おおくの資料の展示、挙句の果てにはコスプレして記念写真のコーナーまであるとは、だれも信じないだろう。

 おれですら、「たった150年で、そこまで変貌を遂げるか?」、といいたくなる。


「佐々木只三郎が、撃たれて重傷を負います。esop trustee ESOP Trust 海外信託 かれらは、陸路紀州へ向かい、そこから船を調達して江戸へ向かいます。残念ながら、佐々木は紀州で亡くなりますが。見廻組は解隊、残りの隊士はいっとき狙撃隊かなにかの名称で活動しますが、それもなくなります。今井は、ほかの幕臣たちと最後のほうまで戦います」

 泰助を背負いなおしつつ、思いだせるかぎりを説明する。

「そりゃ気の毒だ」
「残念だな」
「冥福を祈ってやらんとな」
「南無三」

 副長、永倉、原田、斎藤・・・。

 ちっとも哀悼っぽくない。ってか、たぶん、まだ生きてる・・・。



「先生の このあたりは略して城公園、大阪城公園のあたりかと、現代と比較してしまい、ついきょろきょろしてしまう。

 大阪ビジネスパークからあるいて数分。

 環状線「大阪城公園駅」が、一番ちかい。

 ちなみに、大阪環状線は十九駅あるが、発車のメロディーが各駅それぞれユニークである。

「大阪城公園駅」は法螺貝。大坂の陣にちなんでのことであるが、大阪城をみながら、けっこう、戦国の世に浸れるメロディである。

「新今宮駅」の、ドヴォルザークの「新世界」。これは、駅のすぐちかくに新世界があるから。

 串カツのおいしい店がある。「ソースの二度漬け」はご法度である。

 あかん。串カツ食べたなる・・・。なーんて、マジで思う。

 ほかにも大阪出身の歌手の曲や、地名にちなんだり、と発車メロディをきくだけでも愉しい。

 もっとも、わざわざ乗車せずとも、「YOUTUBE」できくことができるので、便利なものである。

 大阪城ホールは、京セラドームと並び、コンサートやイベント、ライブがおこなわれる会場の片翼を担っている。

 剣道場や弓場などもある。それから、大川を巡る水上バスの乗り場も。

 夜などは、ライトアップされた大阪城をみながら、イタメシやコーヒーも味わえる。

 大阪城じたいもだが、周囲もずいぶんと様がわりしてゆく。には。かえってさっぱりする。

 大坂出身の山崎の案内で、裏、なんだろうか。ほかの団体からはずれ、違うルートをとる。

 しばらくあるき、極楽橋がみえた時点で、やはり裏、搦手側であることに確信する。

 右前方にみえるのは、山里曲輪のあった石垣。より約250年ほどまえ、徳川勢に負け、豊臣秀頼と淀殿が自刃した場所。
 大坂の陣である。

 そして250年後、徳川幕府はなくなり、敗者としてこれより坂道を転がり落ちてゆく。

 この大坂城もまた、そのキーアイテムの一つとなるのである。


「おっ!こんなとこにも兵がいるのかい?」 全員が、それをみ上げる。

 曇天をバックに、海軍服姿の軍人がみおろしている。
 その笑顔は、あまりにも場違いすぎて、張りつめていた緊張をといてくれる。

 雲の切れ間から、太陽が顔をのぞかせた。
 ささやかな陽光が幾つもの筋となり、地上に投げかけられる。

 その光線のなか、頭髪、口髭が油ギッシュにテカテカしている。

 立派なカイゼル髭。整った顔立ち。江戸の言葉。洋装の軍服。

 web上でみた、写真のまんまである。




 威勢のいい江戸っ子言葉。

 崩れた石垣の上に軍服姿の男が立ち、をみおろしている。



Posted by AmandaMonroe at 21:11│Comments(0)
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