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「わ、分かりました……」
2023年11月15日
「わ、分かりました……」
「有難う。おお、そうだ。自己紹介がまだだったな。俺ァ、局長のと云う。ええと、君は……」
局長、つまり新撰組での頭という立場である。副長の土方があのぶっきらぼうな感じであることに対し、近藤は話せば柔らかな印象を受けた。
「鈴木桜花です」
「そうか、鈴木君。よろしく頼む」だと、桜花は背筋が粟立つのを感じる。
──戦いたい。この人と。https://edward.ni-3.net/Entry/1/ https://anosmic.animegoe.com/Entry/1/ https://mypaper.pchome.com.tw/johnsmith786/post/1381712097 負けると分かっていても、一本だけでも取りたい。
「──あの」
そう思った桜花は無意識のうちに声が出ていた。
「是非、お手合わせお願いします」
それを聞いた男は瞳を輝かせ、近藤と土方は呆気に取られている。
我に返った土方は桜花の腕を掴むと、引き寄せた。
「おい、相手の力量すら見極められねえんなら、あの話は無しだ!いざと言う時に守るどころか、全滅しちまう!」
土方の言うことは最もである。戦場においては、自分の力量と相手の力量を比べる手腕を持つことも必要となるのだ。絶対に勝てない相手の場合は戦略的撤退をすることもある。
「あ、あの方が滅茶苦茶強いというのは察しています。──ただ、強い人と戦ってみたいんです」
そう言いながら、桜花の目にはあの男しか映っていなかった。昔からそうなのだ。腕の立つ者を見ると、取り憑かれたように居てもたっても居られなくなる。
「……ッ、好きにしろ」
戦いたいと言った桜花は、まるで先程とは別人のようだった。思わず土方が怯むほどに、力強い闘志が湧き出ている。 土方が許可を出したことにより、その試合が行われることになった。防具一式を斎藤より手渡される。
「……沖田さんは屈指の遣い手だ。勝とうなどと思うな。生きることだけを考えろ」
静かに、けれども力強く斎藤は告げた。"生きること"とは大袈裟だと思いつつ、桜花はそれを受け取る。
「そうだ。ちなみに……桶はあそこにある。吐く時はそこまで行ってくれ」
「は、はあ……」
夏の猛暑の中、延々と素振りをしていた時に吐きそうになったことはあるが、ましてや今は冬だ。そもそも試合で吐いたことなど無いと思いつつ、桜花は間抜けな声を出した。
面を被ろうとしたところへ、対戦相手の男がやってきた。
「先程は突然失礼しました。改めまして、初めまして。私は副長助勤を勤めている、といいます。ええと、私は全力でよろしいのでしょうか」
「あの、鈴木桜花といいます。是非全力でよろしくお願いします」
それを遠くで聞いていた土方が、あの馬鹿がと手で顔を覆う。布団の支度をしておけと静かに隊士へ指示を出した。
挨拶をそこそこに交わすと、二人は立ち位置へ付く。防具をしっかりと身に付けた桜花に対して、沖田は何一つ付けていなかった。それを見た桜花はムッと眉を寄せる。
──防具無しでも私に余裕で勝てるということ?意外と嫌味な人なのね。
立会人を斎藤が務め、道場の真ん中の壁際に近藤や土方が立っていた。
「一本勝負とする。──始め!」
開始の声と共に、桜花は沖田の出方を探る。互いに平正眼に構え、じりじりと距離を詰めるが、一向に打ってくる気配がなかった。
桜花はジッと沖田を見る。普通は竹刀の動きを見るのが定石だが、あえて竹刀から視線を外して相手の気配を読むのがやり方だった。
ふと、沖田の眼差しに力強い覇気が帯びる。それを見た桜花は竹刀に力を入れて、受け身の姿勢へ変えた。
「!」
「有難う。おお、そうだ。自己紹介がまだだったな。俺ァ、局長のと云う。ええと、君は……」
局長、つまり新撰組での頭という立場である。副長の土方があのぶっきらぼうな感じであることに対し、近藤は話せば柔らかな印象を受けた。
「鈴木桜花です」
「そうか、鈴木君。よろしく頼む」だと、桜花は背筋が粟立つのを感じる。
──戦いたい。この人と。https://edward.ni-3.net/Entry/1/ https://anosmic.animegoe.com/Entry/1/ https://mypaper.pchome.com.tw/johnsmith786/post/1381712097 負けると分かっていても、一本だけでも取りたい。
「──あの」
そう思った桜花は無意識のうちに声が出ていた。
「是非、お手合わせお願いします」
それを聞いた男は瞳を輝かせ、近藤と土方は呆気に取られている。
我に返った土方は桜花の腕を掴むと、引き寄せた。
「おい、相手の力量すら見極められねえんなら、あの話は無しだ!いざと言う時に守るどころか、全滅しちまう!」
土方の言うことは最もである。戦場においては、自分の力量と相手の力量を比べる手腕を持つことも必要となるのだ。絶対に勝てない相手の場合は戦略的撤退をすることもある。
「あ、あの方が滅茶苦茶強いというのは察しています。──ただ、強い人と戦ってみたいんです」
そう言いながら、桜花の目にはあの男しか映っていなかった。昔からそうなのだ。腕の立つ者を見ると、取り憑かれたように居てもたっても居られなくなる。
「……ッ、好きにしろ」
戦いたいと言った桜花は、まるで先程とは別人のようだった。思わず土方が怯むほどに、力強い闘志が湧き出ている。 土方が許可を出したことにより、その試合が行われることになった。防具一式を斎藤より手渡される。
「……沖田さんは屈指の遣い手だ。勝とうなどと思うな。生きることだけを考えろ」
静かに、けれども力強く斎藤は告げた。"生きること"とは大袈裟だと思いつつ、桜花はそれを受け取る。
「そうだ。ちなみに……桶はあそこにある。吐く時はそこまで行ってくれ」
「は、はあ……」
夏の猛暑の中、延々と素振りをしていた時に吐きそうになったことはあるが、ましてや今は冬だ。そもそも試合で吐いたことなど無いと思いつつ、桜花は間抜けな声を出した。
面を被ろうとしたところへ、対戦相手の男がやってきた。
「先程は突然失礼しました。改めまして、初めまして。私は副長助勤を勤めている、といいます。ええと、私は全力でよろしいのでしょうか」
「あの、鈴木桜花といいます。是非全力でよろしくお願いします」
それを遠くで聞いていた土方が、あの馬鹿がと手で顔を覆う。布団の支度をしておけと静かに隊士へ指示を出した。
挨拶をそこそこに交わすと、二人は立ち位置へ付く。防具をしっかりと身に付けた桜花に対して、沖田は何一つ付けていなかった。それを見た桜花はムッと眉を寄せる。
──防具無しでも私に余裕で勝てるということ?意外と嫌味な人なのね。
立会人を斎藤が務め、道場の真ん中の壁際に近藤や土方が立っていた。
「一本勝負とする。──始め!」
開始の声と共に、桜花は沖田の出方を探る。互いに平正眼に構え、じりじりと距離を詰めるが、一向に打ってくる気配がなかった。
桜花はジッと沖田を見る。普通は竹刀の動きを見るのが定石だが、あえて竹刀から視線を外して相手の気配を読むのがやり方だった。
ふと、沖田の眼差しに力強い覇気が帯びる。それを見た桜花は竹刀に力を入れて、受け身の姿勢へ変えた。
「!」
Posted by AmandaMonroe at 16:23│Comments(0)