My Magic Dairy › 「足首に処置を施しておりました。」
「足首に処置を施しておりました。」
2023年12月29日
「足首に処置を施しておりました。」
「出過ぎた真似をするな。手当てなら知識のある者にさせる。お前は山南副長の世話だけやいてろ。」
そんな言い方あんまりだ。
橘は心配して,こうやって手当てをしてくれた。
土方は優しい言葉すら掛けてくれなかったのに。
「土方さん!」
「申し訳ございませんでした。以後気をつけます。」
三津が反論しようとしたのを遮って,橘が頭を下げた。https://keiichi76.anime-festa.com/Entry/22/ https://mis2231.atgj.net/Entry/26/ https://yuji.asukablog.net/Entry/20/
あまりに理不尽な光景だ。
三津は勢い良く立ち上がり土方と面と向かって睨み付けた。
今回ばっかりは物申してやると大きく息を吸い込んだのだが,
ふわりと体が宙に浮き,見えていた世界が,土方から廊下にすり替わった。
「あれ?ちょっと土方さん?」
何してるんですかと背中を叩くが何の反応もしてもらえず,見事に無視された。
「余計な行動は慎め。」
三津を無視した土方は,深く頭を下げる橘を一瞥して踵を返した。
暴れる三津を担いだまま,ずかずかと一室に踏み込んで手荒に三津を畳に下ろした。
「土方はん,一応怪我人やからお手柔らかに。」
どうやらここは斎藤の部屋みたいだ。
土方の手荒さに苦笑いの山崎と呆れ顔の斎藤が胡座をかいて座していた。
「ちっとは痛い思いしねぇと分からねぇんだ,この馬鹿は。」
「また馬鹿って!」
食ってかかろうとしたが,左足首を掴まれて大胆に持ち上げられた。
掴まれた所が痛くて,ぎゃっと不細工な声を上げて仰け反った。
『どんだけ警戒心がないんだ,この大馬鹿者が。』
橘が巻いたさらしを乱暴に取り払う事で怒りをぶつけた。
男に足をさらけ出す事に恥じらいが無さ過ぎて腹が立った。
せっかく橘が巻いてくれたのにと文句を言うのも聞き流し,
拳骨を一発見舞ってやった。『何だこの可愛げの無い顔は。』
拳骨を食らってからの三津は膨れっ面で土方の顔を見やしない。
山崎や斎藤が話しかけると笑顔を見せる。
何とも挑戦的な態度に土方は口元をピクピクとひきつらせた。
自分が目を離したとは言え,危ない所を助けてやった。
怪我を負わせてしまったが,抱きかかえて連れて帰って来てやった。
『それなのにこいつと来たら助けてもらった礼も言わねぇ。
尻を触ったと俺を変態扱いしやがって。
その癖,橘に足は触らせても何とも思わねぇってか?』
だがここはぐっと堪えた。
ひとまず胡座を掻いた足の上に三津の足首を持って来て,腫れ具合を確認した。
「あとは土方はんの薬飲ましたったらええんとちゃいますかね?」
山崎からお墨付きも貰い,土方自らさらしを巻き直し始めた。
その手元を三津はじっと見ていた。
『何だよ,アイツと比べてやがんのか?』
そうだったら気分が悪い。
思わず手に力が入ってしまった。
「痛い!」
三津が悲鳴を上げて足を引っ込めた。
相当痛かったのが分かる。堪えてるけど,目が潤んでいる。
『あ…。すまん…。』
とは,素直に言えなかった。
「少しは我慢しやがれ。」
今のは自分が悪い。そう分かっていながら言い放った言葉は溝を深める。
「そうですね,これぐらい土方さんにしてみたらどうって事ないですよね。ほっといても治りますもんね!」
三津の苛立ちも最高潮に達してしまい,巻きかけのさらしを解き,土方に投げつけて部屋を飛び出した。
毎日命を懸けてるみんなに比べたら大した事ない。
こんなの怪我のうちにも入らない。
「だからってあんな力込めんたって…。」
どう考えてもわざとだ,嫌がらせだ。
だったら怯んではいけないと思った。やられっぱなしは嫌だから。
『病だって気からなるんやし,怪我だって気合いで治るやろ!』
そんな勘違いで奮い立たせて,仕事だっていつも通りこなしてやると誓った。
負けず嫌いの闘志が燃える。
闘志を燃やしながらも泣きそうな顔でひょこひょこ廊下を歩いた。
「お三津!さっきは散々だったな!」
そう言って駆け寄って来たのは巡察から戻ったばかりの藤堂。
『さっきだけやなくて今も散々な目に遭いましたよ…。』
不満をぶちまけたい気持ちを抑えて,平気と笑顔全開で嘘をついた。
「出過ぎた真似をするな。手当てなら知識のある者にさせる。お前は山南副長の世話だけやいてろ。」
そんな言い方あんまりだ。
橘は心配して,こうやって手当てをしてくれた。
土方は優しい言葉すら掛けてくれなかったのに。
「土方さん!」
「申し訳ございませんでした。以後気をつけます。」
三津が反論しようとしたのを遮って,橘が頭を下げた。https://keiichi76.anime-festa.com/Entry/22/ https://mis2231.atgj.net/Entry/26/ https://yuji.asukablog.net/Entry/20/
あまりに理不尽な光景だ。
三津は勢い良く立ち上がり土方と面と向かって睨み付けた。
今回ばっかりは物申してやると大きく息を吸い込んだのだが,
ふわりと体が宙に浮き,見えていた世界が,土方から廊下にすり替わった。
「あれ?ちょっと土方さん?」
何してるんですかと背中を叩くが何の反応もしてもらえず,見事に無視された。
「余計な行動は慎め。」
三津を無視した土方は,深く頭を下げる橘を一瞥して踵を返した。
暴れる三津を担いだまま,ずかずかと一室に踏み込んで手荒に三津を畳に下ろした。
「土方はん,一応怪我人やからお手柔らかに。」
どうやらここは斎藤の部屋みたいだ。
土方の手荒さに苦笑いの山崎と呆れ顔の斎藤が胡座をかいて座していた。
「ちっとは痛い思いしねぇと分からねぇんだ,この馬鹿は。」
「また馬鹿って!」
食ってかかろうとしたが,左足首を掴まれて大胆に持ち上げられた。
掴まれた所が痛くて,ぎゃっと不細工な声を上げて仰け反った。
『どんだけ警戒心がないんだ,この大馬鹿者が。』
橘が巻いたさらしを乱暴に取り払う事で怒りをぶつけた。
男に足をさらけ出す事に恥じらいが無さ過ぎて腹が立った。
せっかく橘が巻いてくれたのにと文句を言うのも聞き流し,
拳骨を一発見舞ってやった。『何だこの可愛げの無い顔は。』
拳骨を食らってからの三津は膨れっ面で土方の顔を見やしない。
山崎や斎藤が話しかけると笑顔を見せる。
何とも挑戦的な態度に土方は口元をピクピクとひきつらせた。
自分が目を離したとは言え,危ない所を助けてやった。
怪我を負わせてしまったが,抱きかかえて連れて帰って来てやった。
『それなのにこいつと来たら助けてもらった礼も言わねぇ。
尻を触ったと俺を変態扱いしやがって。
その癖,橘に足は触らせても何とも思わねぇってか?』
だがここはぐっと堪えた。
ひとまず胡座を掻いた足の上に三津の足首を持って来て,腫れ具合を確認した。
「あとは土方はんの薬飲ましたったらええんとちゃいますかね?」
山崎からお墨付きも貰い,土方自らさらしを巻き直し始めた。
その手元を三津はじっと見ていた。
『何だよ,アイツと比べてやがんのか?』
そうだったら気分が悪い。
思わず手に力が入ってしまった。
「痛い!」
三津が悲鳴を上げて足を引っ込めた。
相当痛かったのが分かる。堪えてるけど,目が潤んでいる。
『あ…。すまん…。』
とは,素直に言えなかった。
「少しは我慢しやがれ。」
今のは自分が悪い。そう分かっていながら言い放った言葉は溝を深める。
「そうですね,これぐらい土方さんにしてみたらどうって事ないですよね。ほっといても治りますもんね!」
三津の苛立ちも最高潮に達してしまい,巻きかけのさらしを解き,土方に投げつけて部屋を飛び出した。
毎日命を懸けてるみんなに比べたら大した事ない。
こんなの怪我のうちにも入らない。
「だからってあんな力込めんたって…。」
どう考えてもわざとだ,嫌がらせだ。
だったら怯んではいけないと思った。やられっぱなしは嫌だから。
『病だって気からなるんやし,怪我だって気合いで治るやろ!』
そんな勘違いで奮い立たせて,仕事だっていつも通りこなしてやると誓った。
負けず嫌いの闘志が燃える。
闘志を燃やしながらも泣きそうな顔でひょこひょこ廊下を歩いた。
「お三津!さっきは散々だったな!」
そう言って駆け寄って来たのは巡察から戻ったばかりの藤堂。
『さっきだけやなくて今も散々な目に遭いましたよ…。』
不満をぶちまけたい気持ちを抑えて,平気と笑顔全開で嘘をついた。
Posted by AmandaMonroe at 19:44│Comments(0)